会計修繕費と基本的支出に関するQ&A
Q.03 修繕費のうち、必要経費になるものはどのように計算されるのですか。
答え
一概に修繕費という名目で支出した場合であっても、その内容により固定資産の取得価額に加算される資本的支出と、支出した事業年度の必要経費として処理される修繕費とに区分されることになります。
資本的支出に該当するのか修繕費に該当するのかの判定はQ10で述べました例示(法基通7-8-1、7-8-2)で判断することができればよいのですが、実務上は困難な場合が多いこと、また事務手続の簡素化の面から形式的な方法を法人税法基本通達7-8-3~7-8-6で定めています。
- 1.修理改良のための支出額が20万円未満か(法基通7-8-3(1))
【YES】→修繕費 【NO】→2へ - 2.3年以内の期間を周期として行われる費用か(法基通7-8-3(2))
【YES】→修繕費 【NO】→3へ - 3.法人税基本通達7-8-1に例示する資本的支出に該当するか(法基通7-8-1)
【YES】→資本的支出 【NO】→4へ - 4.法人税基本通達7-8-2に例示する修繕費に該当するか(法基通7-8-2)
【YES】→修繕費 【NO】→5へ - 5.修理改良のための支出額が60万円未満か(法基通7-8-4(1))
【YES】→修繕費 【NO】→6へ - 6.修理改良のための支出額が前期末取得価額の10%以下か(法基通7-8-4(2))
【YES】→修繕費 【NO】→7へ - 7.災害により被害を受けた固定資産に支出したものか(法基通7-8-6)
【YES】→8へ 【NO】→11へ - 8.原状回復のための費用か(法基通7-8-6(1))
【YES】→修繕費 【NO】→9へ - 9.被災前の効用を維持するための補強工事費等か(法基通7-8-6(2))
【YES】→修繕費 【NO】→10へ - 10.支出額のうち30%相当額→修繕費
支出額のうち70%相当額→資本的支出(法基通7-8-6(3)) - 11.継続して7:3区分基準により処理しているか
【YES】→12(法基通7-8-5) 【NO】→13へ - 12.支出額の30%と前期末取得価額の10%のいずれか少ない金額→修繕費
残額→資本的支出 - 13.資本的支出に該当するか(法令132)
【YES】→資本的支出 【NO】→修繕費